暮らしのこと
息子夫婦との同居
お互いの暮らしに
干渉しない関係
二世帯同居で多いのは、親世帯とその息子夫婦の同居という形態です。かつては「嫁姑戦争」などと揶揄された、子世帯の奥さんと親世帯の義理のお母さんとの関係性は、現代では良好であるケースが多くなっています。自分たちが核家族を経験した親世代が増えてきたこともその理由のひとつとして挙げられますが、プライバシーや独立性、個人主義などを重要視する人たちが親世代になっているという背景が考えられます。
娘夫婦と娘親世帯が同居するパターンと比べると、もちろん例外はありますが、比較的ドライな関係性を保とうとする傾向があるようです。親世帯は、「自分たちの生活を楽しみたい」と考え、子世帯へ干渉しないよう意識しています。だからと言って、子世帯との関わりを持たないということはなく、孫の世話や家事の手伝いなど頼りにされれば、力になりたいと思っているようです。
奥さんの居場所は?
子世帯の奥さん(お嫁さん)は、文字通り夫(旦那さん)の家に「嫁いだ」というカタチ。義理の親との関係性が良好だったとしても、自分の実家の親とは違います。やはり気兼ねがあったり何かと気を遣ったり、知らずと神経をすり減らしています。日々の暮らしでストレスが溜まってしまわないよう、旦那さんはもちろん、義理の親世帯側も奥さんに対しての心配りや気遣いを意識したいですね。
間取りの上でも、ある程度子世帯の独立性を確保することが有効です。キッチンや浴室などは、子世帯専用の設備を設けておくと良いでしょう。また、何か自宅でできる趣味を持っているのであれば、気兼ねなく没頭できる空間をつくっておくことも効果的です。
子育て時期なら、気軽にママ友を呼べるようなスペースがあると、子育ての悩み相談やおしゃべりができ、ストレスが少なく生活できるでしょう。
子世帯が共働きで親に子どもを預けることが多い時は、子世帯の空間に立ち入りにくいような部屋の配置にするなども重要です。
ありがちなトラブルとルール
両世帯とも、同居前は不安があるもの。特に子世帯の妻は意見を言いにくい立場になることが多いようです。住んだ後に世帯間でのトラブルに陥らないようあらかじめ、じっくり話し合いを行い、少しでも不安を減らせるようにしましょう。これから長い年月の同居生活を始めるわけですから、両世帯がお互いを尊重し、生活のリズムや日常の生活習慣の違いなどを理解しあうことが大切です。
また、親世帯にとって、孫の面倒を見ることは、うれしく、楽しいと感じる場合がほとんどでしょう。しかし、その頻度が多くなり過ぎると、体力的・精神的な疲れが出てくることもあります。子世帯の子育てには親世帯のサポートや協力があった方が良いですが、その頻度や範囲などについても一定のルールを設けておくと、トラブルの発生を抑えることにつながるでしょう。両世帯どちらもが「自立」と「助け合い」をバランス良く保ち、快適な同居生活をおくりたいものですね。